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スタッフの定着率アップ!リハビリ部のモチベーションを高める方法

リハビリ部の管理者の皆さん、日々の業務お疲れさまです!スタッフが前向きに働ける環境をつくることは、管理者にとってとても大切な課題ですよね。特に、リハビリは患者さんと直接向き合う仕事なので、スタッフのやる気が患者さんの回復にも大きく影響します。

今回は「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」をもとに、リハビリ部ならではの具体例を交えながら、スタッフのやる気を高める方法を考えていきましょう。この理論は、やる気を引き出す仕組みを2つの側面から捉えており、リハビリ部の現場でもすぐに活かせる考え方です。


ハーズバーグ理論の基本

まず、ハーズバーグの理論を簡単におさらいしましょう。

  1. 動機づけ要因(Motivators)
    仕事そのものに関わるやりがいや達成感、成長の実感など、やる気を引き出す「スイッチ」になる要素です。
  2. 衛生要因(Hygiene Factors)
    職場環境や人間関係、給与など、仕事への不満を防ぐための「土台」になる要素です。不満を減らすことはできますが、これだけでは直接的にやる気を高めるわけではありません。

管理者の皆さんには、まず衛生要因を整えてスタッフの不満を減らし、その上で動機づけ要因を高めていく、この2段階のアプローチをぜひ試していただきたいと思います。


1. 衛生要因を整える:不満を減らすための具体策

リハビリ部にとって、働きやすい環境が整っているかどうかは、スタッフの満足感に直結します。以下の具体例を参考に、不満の原因を取り除いていきましょう。

(1) 働きやすい職場環境をつくる

例1: リハビリ室に「ストレッチ用スペース」を確保し、スタッフが休憩時間に体をほぐせる場所を作る。

例2: 使い勝手の悪い備品や機材をリストアップし、スタッフの意見を聞きながら新しい機材を導入する。

例3: 温湿度管理を徹底し、リハビリ室がスタッフや患者さんにとって快適な空間になるようにする。

(2) 公平で納得感のある評価制度

「自分の頑張りがちゃんと評価されている」と感じることは、不満を減らすだけでなく、やる気にもつながります。

例1: 各スタッフの担当患者数やリハビリ単位数を定期的に見直し、不公平感が生じないよう調整する。

例2: 成果だけでなく、患者さんや同僚からのフィードバックも評価に反映させる仕組みを取り入れる。

(3) ワークライフバランスの改善

リハビリスタッフは体力的にも精神的にもハードな業務をこなしています。適切な休息を確保することで、不満を大きく減らせます。

例1: 「リフレッシュデー」を設け、月に1度、スタッフが定時で帰れる日を設定する。

例2: スタッフの希望休をできるだけ叶えるスケジュール管理を行う。

例3: 繁忙期や夜間勤務の際には食事手当や臨時休暇を提供する。


2. 動機づけ要因を高める:やる気を引き出す仕組み

衛生要因を整えたら、次はスタッフが「もっと頑張りたい」と思えるような仕掛けを考えましょう。

(1) 成果を実感できる場を作る

スタッフが自分の仕事の意義を感じられると、自然とやる気が湧いてきます。

例1: 患者さんの「リハビリ卒業式」を企画し、回復した患者さんが感謝の気持ちを伝えられる場を作る。

例2: リハビリの成果を可視化するため、患者さんのADL(日常生活動作)向上データをチームで共有し、一緒に喜ぶ時間を設ける。

(2) 成長を応援する仕組み

「自分が成長している」と感じられると、仕事に対するやりがいが増します。

例1: 専門分野を活かした「スペシャリスト制度」を導入し、特定の疾患やリハビリ分野に特化したスタッフを育成する。

例2: 定期的に外部講師を招いてセミナーを開催し、最新のリハビリ技術や知識を学べる機会を提供する。

例3: 新人スタッフには「成長記録ノート」を渡し、日々の学びや成長を実感できるようサポートする。

(3) 責任感と達成感を感じられる仕組み

リハビリ部内で責任ある仕事を任せることで、やりがいを感じてもらえます。

例1: ベテランスタッフに「新人教育リーダー」をお願いし、教育やサポートを通じて自身の経験を活かせる役割を提供する。

例2: スタッフが自主的に「新しいリハビリプログラム」を提案・実行できる制度を作る。

例3: リハビリ部全体の目標を設定し、達成に向けてみんなで協力するプロジェクトを始める。

(4) 日々の努力を認め合う文化

スタッフの努力や成果を日常的に認め、感謝の言葉を伝えるだけで、職場の雰囲気は大きく変わります。

例1: 月に1度、ミーティングで「今月のヒーロー」を選び、患者さんや同僚から高く評価されたスタッフをみんなで称える。

例2: 小さな努力でも「ありがとう」と伝える文化を、管理者自ら率先して作る。


3. みんなで良い職場をつくる:スタッフの意見を取り入れる

新しい施策を始める際には、スタッフの意見を取り入れることが重要です。一方的に進めると、逆に反発を招いてしまうこともあります。

例1: 「こんな職場になったらうれしい」というテーマでアンケートを実施し、スタッフ全員の意見を集める。

例2: ミーティングの時間に「気軽に話せる時間」を設け、スタッフが不満やアイデアを自由に発言できる場を作る。


管理者の皆さんへ

リハビリ部をより良い環境にしたいと考えている管理者の皆さんの気持ちこそが、何よりも大切です。スタッフは、管理者が自分たちのことを考えてくれていることを必ず感じ取っています。

焦らず、少しずつ取り組んでいきましょう。日々の小さな変化が、リハビリ部全体の雰囲気やチームワーク、そして患者さんの回復に大きく貢献していくはずです!