健康関連の情報

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が就職したのに担当を持たせてもらえない。こんな悩みを抱えたら。

せっかく病院に就職したのに、なかなか担当を持たせて貰えない…

同期入社の同僚は担当を持っているのに…

なんて思っている方もいるのではないでしょうか?

なぜ担当を持てないのか?

担当が持てない理由

リハビリテーション部の予定がある場合

リハビリテーション部として担当を持つ時期が決まっている場合や計画的に担当を持ったり増やしたりすることが新人教育として決まっている場合がある。このような新人教育としての体制をしいている施設や病院では担当するための基準があることも多い。

対処法

リハビリテーション部内で決まっている担当予定の確認や自分が担当するために不足している部分を確認して、不足部分の課題をクリアしていく必要がある。この場合は焦る必要は無い。むしろ部内の予定や基準に沿って担当していけば大きなリスクを回避することが出来るので安心して介入していくことが出来る。

リスク管理が出来ていない場合

セラピストが担当する時に最低限求められるものはリスクの管理である。医学の父ヒポクラテスも医療を提供するにあたり「まず害を与えないこと」と説いている。リハビリテーションを提供するにあたっても害を与えない様にしないといけない。害を与えためにはリスク管理が正確に行えることが最も重要となる。

管理者の立場から見れば、リハビリテーションの技術うんぬんの前にリスク管理が充分に出来るのか?が重要な要素の一つになる。リスク管理が充分に出来るのであれば、早くに担当を持ってもらいやすくなり、重症度の高い患者さんの担当も任せやすくなる。

対処法

先ずは一般的なリスク管理の方法やポイントを見直すことが重要である。もう一度国家試験勉強で学んだ部分を見直して、基本をまずは抑えましょう。先輩は国家試験レベルのリスク管理に関しては日頃から常に行なっており、それが一つの基準となります。さらに専門的なリスク管理に関しては参考書から学ぶしかない。筆者が実際に買って役に立った2冊を紹介しておきます。

リハ医学会から出版されているリハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドラインは出版されてから安全管理の教科書のように使用しています。

疾患別リハビリテーションリスク管理マニュアルに関しては学生の時から現在まで私のリスク管理のバイブル本として常に横に置いてある名著である。

患者さんや家族さんとの信頼関係が取れない場合

患者さんや家族さんとの信頼関係が取れるか?
これはめちゃくちゃ大切な部分で、学校ではさらりと流してしまいますが患者さんとの信頼関係構築に苦労し、担当から外れ悩んできたセラピストをたくさん見てきた。
職場の責任者としてもスタッフに対するクレームが多いと担当を振りにくくなってしまいます。逆にクレームが少ないスタッフは安心して色々な方の担当をお願いしやすい。
また、認知症に対する対処が上手くいかず信頼関係がうまく築けない方も多数見てきた。
認知症に対しては適切な関わり方を行うことで非常にスムーズに関係を作ることができる。

対処法

患者さんとのコミュニケーションは患者さんの立場になって考えてみることが一番大事である。理学療法士や作業療法士・言語聴覚士は医療従事者としての意見を患者さんやその家族に押し付けがちになってしまう。まずは患者さんや支える家族の立場になって考えてみてはどうだろうか?何も説明がないままに検査が始まりリハビリがスタートする。家族には介護負担が大きいから家は無理だという。介護負担が大きくても家族の面倒を見たい方は意外にたくさんいてる。セラピストという目線を捨てて自分が患者になった場合やその家族になった場合を思い浮かべてみよう。
認知症に対しては適切な対応をすれば思いのほか上手く関係性が作れることがある。これも認知症になった患者さんの立場になって考えれば分かることなのだが、急に話しかけられたり、自分が理解できていないうちに連れて行かれると不安が大きくなってしまい拒否をしたり、大声を出してしまう。私が認知症の方に話しかけ、関係作りをするのに参考にしており、他のスタッフにもおすすめしているユマニチュードの本をご紹介する。

ユマニチュードは京都大学でも研究が進められ、看護や介護の世界では非常に有名な介入手法である。認知症の方のみならず多くの患者さんに使用できるアイテムである。

認知症ケア「ユマニチュード」を習得したら100%リハビリテーションの技術がワンランク上がる!!認知症ケアの「ユマニチュード」をリハビリテーションやケアに応用する。 セラピストの悩み 認知症を持つ方にリハビリテーションやケアを行...

医師・看護師・社会福祉士とコミュニケーションが取れない場合

リスク管理・リハビリ内容の確認・病棟でのADL変更・退院調整などどうしても他職種とのコミュニケーションが必要な場面が沢山ある。他職種とのコミュニケーションでクレームが出てしまうと、担当を任せるのはかなり難しくなる。最悪の場合、他職種とコミュニケーションをとる際に上司が付き添わなければいけないなんて事態にも陥ることがある。こんな事態は上司もあなたも避けたいものだ。

対処法

何をおいても先ずしないといけないことは各職種の理解が必要となります。急に他職種の理解を深めるのは難しいので、難しさを感じる場合は主任や副主任に同行してもらいサポートを受けると上手くいくことが多いです。

各職種の役割を簡単に理解しておきましょう。
回復期リハビリテーション病棟協会では各職種の10ヶ条を作成しており分かりやすいので、ご紹介しておきます。

 

 

医師 10か条
1.リハビリテーションマインドを養い、穏やかな態度で患者さん・家族・スタッフに接しよう
2.職種・診療科間の壁を取り除き、リーダーとしてチーム医療を推進しよう
3.リハビリテーション医学の最新知識・技術の習得と院内啓発に努めよう
4.基礎疾患や合併症の医学的管理とリスク管理を的確に行おう
5.患者・家族に進んでわかりやすく説明し、十分な同意に基づく医療に取り組もう
6.心理的な問題やQOLにも配慮し、社会復帰を支援しよう
7.急性期や維持期(生活期)の医療機関・施設や地域の社会資源と連携しよう
8.より質の高いリハビリテーションサービスを提供できる病棟を創っていこう
9.エビデンスに基づくリハビリテーション医療に取り組もう
10.リハビリテーション医療の発展に寄与する志と誇りを持とう

 

看護・介護 10か条
1.食事は食堂やデイルームに誘導し、経口摂取への取り組みを推進しよう
2.洗面は洗面所で朝夕、口腔ケアは毎食後実施しよう
3.排泄はトイレへ誘導し、オムツは極力使用しないようにしよう
4.入浴は週3回以上、必ず浴槽に入れるようにしよう
5.日中は普段着で過ごし、更衣は朝夕実施しよう
6.二次的合併症を予防し、安全対策を徹底し、可能な限り抑制は止めよう
7.他職種と情報の共有化を推進しよう
8.リハ技術を習得し看護ケアに生かそう
9.家族へのケアと介護指導を徹底しよう
10.看護計画を頻回に見直しリハ計画に反映しよう

ソーシャルワーカー 10か条
1.「相談」の専門職として、しっかり患者さん・ご家族の相談にのろう
2.身近で相談しやすい存在として病棟に顔を出し、こちらからも声をかけよう
3.その人らしい生活とは何かをアセスメントしよう
4.障害受容の過程を支援しよう
5.患者さんの自己決定に基づいた退院援助をしよう
6.退院後の生活を常に気にかけて援助しよう
7.リハビリテーションチームの一員として相談援助のプロセスをチームと共有しよう
8.カンファレンスでは、患者さん・ご家族のニーズを把握し、代弁しよう
9.常に最新の社会資源の情報収集・情報提供、新しい社会資源の発掘を心がけよう
10.地域との窓口になり、回復期リハビリテーション病棟の理念を地域に啓発しよう

管理栄養士 10か条
1.栄養を食べ物で表現する職種であることを自覚しよう
2.口から食べることを推進しよう
3.安全でおいしい食事を提供しよう
4.適切な嚥下食の提供と開発をしよう
5.カンファレンスに参加し、チームの一員として貢献しよう
6.栄養状態の評価を行い、全身状態の改善及びリハビリテーション効果の向上につなげよう
7.再発予防や基礎疾患に対応する食事教育をしよう
8.在宅での食事に対する不安解消や地域・施設との充分な連携をとろう
9.自己研鑽をし、質の高い栄養管理を提供しよう
10.栄養ケアを多職種協働で介入するシステムを構築し、定期的な評価と質の向上に努めよう

回復期リハビリテーション病棟協会ホームページより引用

 

特に理由が無いにも関わらず担当させて貰えない場合

担当するのに必要な課題について責任者に説明を求めても説明がなかったり、明確な課題がないにもかかわらず担当させてもらえない場合は不当な対応をされている可能性がある。この様な場合はハラスメントにあたる場合があるので、以下のハラスメントを受けた場合の対応を参考にしてもらいたい。
また、そのような職場は今後も色々と問題が発生しやすい。
ハラスメントがある職場に勤めてしまった場合は転職を考えるのが一番良い。
登録しておいて良い職場が見つかればサクッと転職してしまうのも良い選択だと思います。
不安や不快な思いをしながら働くことが一番ストレスで、無駄な時間だと思います。
とりあえず登録だけしておきましょう。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がハラスメントを受けたらどうしたらいいのか?上司から「最近色気出てきたねぇ❤︎」とか「妊婦だからって…」「何やってんだ!!バカやろう!!」などのハラスメントを受けたら...

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